銀行「金利変動の説明徹底」
日経新聞によりますと「大手銀行が住宅ローンの販売や相談時に、金利変動リスクの説明を徹底し始めた。日銀が二月に利上げを決め、住宅ローン金利の上昇が一段と見込まれるため。・・・」とのことです。
当たり前のことなのですが、銀行が説明不足のリスクを回避するために本格的に動き出したようです。
ただ銀行の窓口で住宅ローンの手続きをするととても時間がかかり、さらに詳細に説明を聞くと1日かかってしまいます。借換の相談で土日に営業している銀行の窓口に相談をしに行くような場合は時間がとれるでしょうが、購入のための新規ローンの契約時に始めて銀行に行って説明をきくとなるとどうしても時間が足りません。みなさんのほうでも事前にできるだけ情報を収集して予習しておいたほうがいいです。
たとえば、変動金利の金利変更のルール。
新規実行の金利は毎月変更されるようになっています。既に借りている人は銀行によって微妙にルールが違いますが4月と10月に金利が変更されるようになっています。金利が変更されたら返済額も変更されるかというと、返済額は借りはじめから5年間は変更されません。返済額は変らないのですが、返済額のうちの元本返済額と利息の割合が変更されるのです。毎月10万円の返済をしていて元本が8万円で利息が2万円だった場合、金利が上昇して元本が7万円になり利息が3万円になるというようなことになるのです。
計算式であらわしますと
5年間一定の元利金等返済額-利息=元本返済額という式で
10万円-2万円=8万円が、金利上昇により
10万円-3万円=7万円というふうに変化するのです。
元本の返済額が少なくなるということは、最初の計画通りに返済ができなくなるということにつながります。そのため、5年後にその時点の元本を残りの期間で返済するとなるといくらになるかを再計算するのです。急に返済額が増えたら返せなくなるということを避けるために、25%以上は増えないように上限が決められています。上記のケースでは10万円の25%UPまでなので12万5千円が上限になります。ここまではよくある説明です。おそらく銀行もお客様から求められない限りここまでしか説明しないでしょう。また、そんなのは知っているという人も多いでしょう。
ではさらに5年後は12万5千円の25%UPまでなので15万6250円、さらに5年後は・・・と想像すると恐ろしくなってくるかもしれませんね。
そしてもっと恐ろしいのは金利が上がりすぎて、毎月の支払いで利息が全額払えなくなるケースです。
1000万円を35年返済で借りた場合を例にとりましょう。金利が2.5%であれば月々の支払いは35,750円です。この内訳は先ほどの式にあてはめると
35,750円-20,833円(利息)=14,917円(元本)となります。(第1回目)
ところが、半年後に金利が5%に上昇したと仮定します。元本が少し減って990万円になっていたとしても金利だけで41,250円になります。そうすると上記の式は
35,750円-41,250円(利息)=0円(元本)-5,500円(未払利息)となり、
元本が減るどころか、払いきれない利息が膨れ上がっていくことになるのです。このまま5年目を迎えると元本990万円+未払利息29万7千円となり、借りた金額よりたくさんの返済を求められます。しかも125%ルールのために次回以降も44,687円が上限になるので、そのままだと次の5年間も元本が1円も減らなくなります。繰り上げ返済をするか固定金利に変更しない限り元本が減っていきません。バブル時代に実際あった話です。
変動金利なので5年間は大丈夫と安心しないで、半年ごとに送られてくる返済予定表を確認してください。5年後とんでもないことになっているかもしれませんから・・・。